中高年 転職 ― 最強の転職理由
中高年が転職する際に、一番聞かれることは転職の理由です。私が採用側の時も、中高年サラリーマンの転職理由は一番着目しました。「なぜ、わざわざ中高年になって、転職する必要があるのか?」と訝しく思ったことが一番です。
本当は会社の中でとんでもないことをして、実質的な懲戒免職ではないのかと勘繰ったりもします。実際、そんな例を見てきています。下記の記事にある池山さんがいい例です。
池山さんは大手内資企業で部長職まで行かれました。まだ40代後半の時に、部下が書いた論文を横取りして、自分自身の業績として、博士号の申請をしたので、実質的な懲戒解雇に近いものでした。しかし、半年ほどの猶予が与えられ、自主退職ということで、新しい転職先に、転職して行かれました。
新しい転職先は、なぜ池山さんが転職したのかの本当の理由は知らないと思います。わざと、今までの業界とは違う会社に転職された理由もそのせいかもしれません。業界は違えども、大手内資企業です。今では、その会社で部長職に就かれています。
会社の方針
私の場合の転職理由は、勤めていた会社の事業所の閉鎖で不可効力でした。50歳の時は、世間的には公表されていませんが、実質上の会社の事業所の閉鎖でした。その事業所に勤めていた従業員も、同じ理由で転職活動していたので、何の突っ込みもありませんでした。転職理由は完全に納得され、深く追及されることはなく、「大変ですね。」という反応でした。
しかし、池山さんの場合や人間関係で揉めてどうしても、中高年が転職したい場合は、やはり、会社の方針というのが、もっともなったくされやすい理由です。
会社の情報は、コンフィデンシャルなので、大学や公益法人の情報と違って、公にされることはありません。そこを逆手にとればいいのです。
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会社の方針により、私が統括していたチームが解散することになり、全く専門外の部署への異動を命じられました。
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会社の方針は、納得できる部分も多々あり、経営方針に関して私が反旗を翻すのは違うと思います。
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というように、会社の方針で、自分が担当している部門がなくなったというように話せばほぼ、問題ないと思います。例え、面接官に突っ込まれても、そこは
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守秘義務があり、大変申し訳ないのですが、詳しくは申し上げられません。
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と返答すれば、全く問題ないです。絶対に、「会社の方針が納得いかなかったので。」とは言ってはいけません。当たり前ですよね。「会社の方針は納得できます。ただ、私が会社に貢献できない状況になったのが、心苦しい。」という雰囲気を前面に出していけばいいのです。
実質、懲戒免職に近い池山さんも、このようなもっともらしい理由で、面接を無難に乗りけれたのだと思います。追い出した会社側としても、正式な処分をしていないのは、それなりの会社に転職してもらって、お互いにWin-Winの関係を作りたかったのです。なので、池山さんが、大手内資系会社にそれなりのポジションで転職したことに関しては、前の会社が阻止するようなことはしません。
今までの専門分野で貢献したい
会社の方針で、自分の専門性が生かせる部署がなくなって、会社に貢献できないこと心苦しく思っている現状を説明したら、あとは、その現状を変えるのが転職理由だとすれば、非常に納得しやすく、理論的です。今の会社では、今まで培ってきた専門性が生かせないから、御社の募集している部署に転職したいと言えば、そういうことだろうなと納得できます。
ここで重要な点は、転職先の部署での仕事と御自身の専門性が完全に一致していることです。もし完全に一致していなくとも、少なくも御自身の専門性が転職先の部署で大きく活かせることが必須になります。
結局、中高年のサラリーマンが、人間関係や不祥事などの理由により、どうしても感謝を辞めないといけなくなった時は、絶対に今までの自分の専門性が生かせる会社にしか行けないことは肝に銘じておいてください。なので、是非、自分の専門性を極めることが、転職を成功させることに繋がります。昭和の会社員に求められた何でも屋さんになることは、令和時代では求められず、専門を極めないと生きていけないのです。
後輩の育成
転職理由にとして、転職先に喜ばれるのは、「後輩の育成」に貢献したいというのがあります。中高年サラリーマンには、即戦力になるだけでなく、後輩を育成してもらいたいという希望を、大抵の会社が持っています。外資系企業では、SOPはちゃんとしていますが、後輩の育成という点に関しては、不十分な点が多々あります。
内資系企業のように、定着率が良くないので、部下に自分自身のノウハウを教えることを積極的にはあまりしません。教えてもすぐに他の会社に転職されて、仕事に貢献してもらうことが期待できないこともあります。それ以外にも、ノウハウを知ったら、上司を出し抜いて、部下自身が出世を目指して、周りに色々と仕掛けてくるというも十分考えられますので。いわゆる外資系あるあるです。
そういう状況もあり、中高年サラリーマンが外資系に転職する際は、転職理由として、「後輩の育成」に積極的に取り組みたいことをアピールすると、最強の転職理由になるかもしれません。私もそのようなアピールをした求職者を推薦しましたし、実際にめでたく転職してこられました。
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中高年のサラリーマンの場合は、会社の方針で自分の専門性が生かせなくなったので、専門性が生かせるところに転職して、更に後輩の育成にも是非貢献したいというのが、最強の転職理由になるのではないでしょうか?
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