中高年50歳での転職 - 暗中模索の日々
嘆いていても仕方ないので、発想を変えて、営業により近い職種を含めた転職活動を始めました。ただ、当時はどうしても職種を変えたくない想いもあり、無謀にも、全く同じ職種で、部長のポジションも探していました。人間とは欲深いもので、自分自身のいいように解釈して、課長になって1年ぐらいしか経っていないのに、斜陽職種にも関わらず、他社で部長になれるかもと、本気で思っている自分がいました。しかし、そのような募集自体が、ほとんどなかったです。
自分自身で直接応募して面接に臨む
専門性型営業関連業務に応募するしかない状況だったので、応募しました。応募案件には、正確な給料も待遇も書いていないのが、通常だったのですが、ある程度の期待はしていました。中高年の50歳で新しい挑戦もいいかというか、その仕事しかなかったので、挑戦するしかなかったのです。営業業務と言っても、売り上げ目標がある訳ではなく、本当の営業部隊のある意味サポート的な役割なので、それほど激務ではないかもしれません。ただ、顧客と直接会って話をしないといけないし、ある程度ペコペコして、営業部隊からも覚えめでたくならないといけないので、やりたくないというのが正直なところでした。
転職戦略としては、まずは専門性型営業関連業務職に就き、その後、社内の公募を通じて、営業関連業務から離れて、戦略業務の部署に移っていこうと前向きに考えていました。私は、営業でもやっていけると言われていましたが、それはあくまでも研究型の業務部での話であり、バリバリの営業の中で、とてもやれるような経験はないので、苦労するのは目に見えていました。また、クヨクヨするところがあるので、営業では精神的につらいだろうということは容易に想像ができました。なので、ずっと営業業務をすることは頭には全くなかったです。
やっと面接に呼ばれる
外資系大手企業の専門性型営業関連業務に、5~6社応募しました。企業の応募サイトで自分自身で直接応募しました。書類選考で落とされたのが3社程度、返事がないのが2社でしたが、1社から1か月後に色よい返事をもらい、面接に呼ばれることになりました。
10年前の中高年の40歳の時も、この専門性型営業関連業務に応募したことがあったのですが、その時は引く手あまたで、応募書類を出して2~3日以内に電話でコンタクトがあって電話面接でいいですから、是非とお願いされました。話の内容からすると、よほどでない限り入社できそうな雰囲気でした。その時は、絶対に専門性業務に行きたかったので、滑り止めとして機能することを確認するだけで安心することができました。その企業には失礼でしたが、実際の面接に関しては、「第一志望職種ではないので、専門性業務につけなかった場合は、再度コンタクトします。」という超上から目線で返答してしまいました。本当に申し訳ありません。実質相手企業から断ってほしかったのが事実です。それでも、「再度のご連絡お待ちしております。」と言ってくれたのが印象的でした。
それが10年後は、なかなか相手にされない状況になっていて、本当に時の流れを感じました。「やばい。」の一言です。
実際の面接
面接に呼ばれた外資系大手企業のコーポレートプロファイルを頭に叩き込み、10年前にみっちり学習した面接対策を行い面接に臨みました。といっても、やはり、専門性型営業関連業務には、入りたくないな~という気持ちが心の片隅にあったのは否めませんでした。実は、営業には全く関係しない開発ビジネス業務の話が友人から来ていたこともありました。
面接は、外資系大手企業の東京本社にある応接室で、人事の方と専門性型営業関連業務で私の上司になる方黒柳さん(仮名)との3人で行われました。と言いますか、途中で人事の方は席を外され、黒柳さんと私の二人になりました。
黒柳さんは、質問して私の返答をその場でB5のノートに書きこんでいました。そして、その書き込み内容を見せないようにするのに、大変気を遣っていたのが滑稽に映りました。こんな素人の面接対応をしている理由は、後からわかりました。
黒柳さん:「他部署との問題が起きた場合はどのように対処されますか?」
私:「他部署の担当者としっかり話し合ったのち、エスカレーションする必要があれば、自分の上司に報告します。前社でも全く同じことが起こりましたが、当事者間だけで物事を解決しようとすると、より困難な状況に陥ることが予想されました。そもそも当事者間だけで解決できる場合は、問題が発生することはありません。なので、私の上司と相手の上司がしっかりと、俯瞰的にかつ全体を把握して、話し合っていただき、最終的には事業所の所長まで話が行き、解決するに至りました。私も相手も上司からの意向を反映して、その後は全く問題なく、かつ感情的なしこりを残さずに、仕事に邁進することができました。問題が大きくなる前に、しっかりと上長に報告し、適切な対処をしていただくことで、スムーズに仕事を行うことができたのは、非常に良い経験だったと思っております。」
黒柳さん:「自分自身で解決しようとせず、上長に頼ったということで宜しいでしょうか?」
私:「それは全く違います。自分たち当事者で解決できる問題は、進んで解決します。ただ、問題が起こるのは、それぞれの部署の方針に従った場合に、当事者間では平行線にしかならない場合がございます。その問題に関しては、適切にエスカレーションして、部署間で調整してもらう必要があるということです。変な感情的なしこりを残さずに、かつ部署のルールに反することなく、問題を解決するのは、部門長間の調整が必要不可欠です。このエスカレーションにより、部門間の問題点がクローズアップされ、より良い改善が行われ、一つの事業所として、より機能的な組織になる一助になります。この対応は、前社で評価を受けることができました。」
黒柳さん:「そうですか?弊社では、現場で解決することが求められます。」
私:「・・・」
これが一番の決定打となったのではないかと思います。
その後も黒柳さんはメモを書き続けて、私の専門性型営業関連業務の面談は終わることになります。
お祈りメールが送られてくる。
やはり、不採用のメールが送られてきました。もちろん理由は書かれていませんでしたが、上長にエスカレーションせずに、現場での解決ができる人を求めていたのだと感じました。
実際、後から判明したのですが、この外資系大手企業の専門性型営業関連業務部門は、結構殺伐とした雰囲気で、組織としてあまりうまく機能していなかったのです。上長は組織としてすべき部門間のコミュニケーションをあまりせず、というか避けたいのが一番の原因で、現場でどうにかしてほしいという意向だったようです。黒柳さんが悪いのではなく、組織の雰囲気があまりよくなく、上長がコミュニケーションを取らないと非難されたらたまったもんじゃないと思ったのかもしれません。なぜ、私がそんなことが言えるのか? それは、私が黒柳さんのいる会社に最終的には転職したためです。もちろん部門は違いますが、彼のいる専門性型営業関連業務部門の部長と同じチームで日本の戦略を作成しているためです。
黒柳さんが私を面接に選んでいただいたことに感謝はしていますが、やはり落とされたことに関しては、こだわりを感じてしまいます。転職後の会社で一度顔を合わせたことはありますが、お互い挨拶をすることはなかったです。変なことになっても嫌なので、私が落とされた理由を黒柳さん本人に聞くことはないですし、正直に話してくれるとも思っていません。なので、一切何事もなかったかのように振る舞っております。最近は幸運なことに、全く黒柳さんとは接触する機会がないので、面接で落とされたことは忘れることにしています。
ただ、不採用通知後は、自分自身で応募するだけでなく、積極的に転職エージェントを活用することにしました。この点でも面接後の不採用通知が本当に、精神的に堪えたことはいなめませんでした。
中高年の転職エージェント
ビズリーチのサイトを介した転職エージェント
ビズリーチには、自分自身の詳細な履歴書および職務経歴書を登録しておくと、スカウトメールが転職エージェントから送られてきます。スカウトメールの内容は、具体的な案件が示されており興味があるかどうか、あれば連絡くださいという誠実なものが多いです。ただ、中にはひどい転職エージェントもいました。
良い中高年転職エージェントの場合
電話で案件内容について具体的な話をすることができ、むやみに会いましょうという話にはならなかったです。ただ、メールの遣り取りで、私が知りたいことには親切丁寧に答えてくれたので、非常に助かった記憶があります。特に、評価の高いエージェントだと、可能性が少なそうな場合ははっきりとその旨を言われて、わざわざ会ってくれるというようなことはなかったです。
悪い中高年転職エージェントの場合
これは私が実際に会った転職エージェントですが、ホテルのロビーで待ち合わせをしました。年配の温厚そうな方でしたが、「私の転職サービスを使うには、私にすべてを任せてください。私が専属にならせていただきます。応募する企業や応募の順番は、一緒に考えていきましょう。」と言われました。中高年の40歳で転職したことがあるので、私の頭にはいきなり、警戒信号がともりました。私は、「あくまで、今回紹介いただけるサービスだけで結構です。転職エージェントさんには、それぞれの得意案件があると思いますので、もちろん他のエージェントにもコンタクトを取りますし、エージェントを介さないで募集案件に応募する場合もあります。なので、そういう条件でしたら、お願いすることはありません。」と言い切りました。
エージェント:「今回は初めて転職されるのですよね?」
私:「履歴書や職務経歴書にも書いておりますが、40歳で事業所閉鎖による転職をしております。なので、中高年の転職活動は一度経験しております。その際、再就職支援会社から直接色々なアドバイスをいただいたことがあります。」
エージェント:「・・・」
おそらく初めての転職しようとしている人を、ある意味だまして食い物にしようとしているエージェントだと感じたので、ホテルの喫茶店の自分の分の料金は払って、帰りました。
うぶな転職者に、手数料が高くもらえるイマイチな職場を紹介する輩には気を付けないと本当に人生を棒に振ることになるので、皆さんも心してくださいね。
企業からの直接のアプローチ
斜陽業種にいて転職活動していたころにはなかったです。しかし、中高年の50歳で転職を成功させて、開発ビジネス業務に携わってから、大手外資系会社1社から2回アプローチがありました。ビズリーチに登録していると、転職エージェントだけではなく、大手企業からも直接スカウトメールが送られてくるので、これは本当に素晴らしいシステムです。中高年で転職してからも、経歴をアップデートして、ビズリーチに登録していたので、スカウトメールが来たときは、びっくりしたと同時にうれしかったです。
自分自身からコンタクトした転職エージェント
自分自身で、専門性型営業関連業務に応募して、面接で落とされたので、積極的に転職エージェントを使うことにしました。
[box03 title="ポイント"]
1) 転職エージェントを決めてから、募集案件を教えてもらって応募するのではありませんでした。あくまでも自分自身で、募集案件を探して、その案件を仲介している転職エージェントにコンタクトを取るといった塩梅です。
2)大手転職エージェントですので、募集会社との関係も深く(外資系大手会社は、年がら年中募集している)、ちゃんとした面接対策を期待してのことです。個人で応募して、「上長へのエスカレーションが正しい。」と主張して蹴られたことを踏まえてのことです。もし前もってその会社の意向を知っていれば、「現場で解決を旨としております。」と主張して、採用を勝ち取れたのではないかと個人的に強く感じたためです。
3)確かに正論が通らない事業部門に入社すると、その後の会社員生活が大変ですが、中高年の50歳の転職は、まずは会社に採用されることが第一です。なので、ある意味では、なりふり構わずに入社することだけに焦点を合わせた活動をすることが必要不可欠だと感じました。(もちろん、ブラック企業でないことが大前提です。)
[/box03]
まとめ
- あくまでも中高年の転職の主導権は自分自身が持って、募集案件は自分自身で主体的かつ積極的に探す。
- ただ、企業への直接応募だけでなく転職エージェントは、積極的に使いこなす。転職エージェントを介してしか応募していない会社もあることを認識しておくこと。大手の転職エージェントは、顧客企業との長年の関係性から、企業の実際の社風やそれに伴う内定を勝ち取るための面接対策が受けれる可能性がある。
- ビスリーチの募集している企業からのスカウトメールは、中高年の転職にはすごく有効なので、必ずビスリーチには登録しておくことをお勧めします。
人気関連記事