中高年 リストラ転職 - 目から鱗!本当の転職成功とは?
皆さんが大きく勘違いしているのは、転職成功とは転職先が決まることではありません。決まった転職先で、十分に力を発揮して、転職先になじみ、大きなストレスなく、幸せに会社生活を送ることです。
私は、40歳のリストラで、事業所の約400人が転職をされました。更に、50歳の事実上の事業所閉鎖のリストラで、500人以上が転職して行かれました。その後、彼ら彼女たちがどのような会社員生活を送っているかを知る機会を持っています。それらの経験に基づいて、本当の転職成功とは何かをお示ししたいと思います。今、職を探している中高年サラリーマンの方が、転職で成功するというのは本当にどうなのかについて、今までの固定観念を拭い去っていただければ、望外の慶びです。
転職先が決まれば、転職成功ではない
転職経験の少ない方やほとんどない方が大きく誤解しているのは、条件の良い転職先に内定を貰って、就職できれば、それで転職活動は終わりで、転職が成功したと考えることでです。はっきり言うと、間違っています。この考え方で行くと、職務経歴書や面接で、自分を大きく見せて、自分の実力よりも遥かに良いポジションを獲得することが一番重要でああることになります。つまり、嘘に近いグレーゾーンで、自分を大きく見せることに全力を尽くすことになります。
実際に、このような指導をする転職エージェントに会ったことがあります。それは、転職エージェントにとって都合がいいからです。
下記の記事の中で、要注意な転職エージェントについて書いていますので、時間があれば参照してみてください。
自分の実力以上の転職先が幸運に決まっても、それが本当に幸運かどうかは、転職先で3~5年以上働き続けられるかどうかに依ります。実力がないのにその転職を決めてしまうと、本当に1年以内に辞めざる負えないことになります。
そういう意味では、下記の記事に書いた私の元部下の井上さん(仮名)は、危ないかもしれません。超一流内資企業に20%の年収アップで課長職になったのはいいのですが、それを継続できるかどうかは、今後の井上さんの頑張り次第です。
転職先で本当にやって行けるのかが一番の基準
井上さんのように、転職先で実力以上のポジションについて成功されている方もいますので、紹介させていただきます。
私は条件の良い転職先に内定を貰って就職することが悪いとは全く言っていません。それが第一関門です。完全に自分の専門分野で経験もあり、新しい転職先でも、問題なく実力を発揮することができるのなら、それが一番です。ただ、私やもっと大きな挑戦をする方のように、なじみのない分野で、それなりのポジションを貰った時はどうするかということは、真剣に考えないといけないと思います。
どうしても、無理だと思ったら、自分自身の経歴を汚さないためにも、いくら魅力的でも、その職の内定を辞退することは賢明だと思います。自分自身のことは、自分が一番よくわかっていると思います。まあ、応募段階で、応募しないことが一番なのですが、転職エージェントの意向や面接の練習との意味合いもあったりして、私も安易に応募したことがあるので、そこは仕方ないかもしれません。
しかし、このチャンスしかない、ダメも出てもこの不慣れな職種を死ぬ気でやって行くと決心したのなら、挑戦するのは悪くないと思います。しかし、生半可な気持ちでは絶対に失敗しますので、それだけは肝に銘じておいてください。
こういう挑戦がないと、中高年サラリーマンが転職で、新しい職種に挑戦することができないので、この方法が一番有効かもしれません。しかも、無理な場合は、転職先の会社がもともと採用しないですから、結構高い可能性で、新しい分野に適応できると思います。実際にそのような挑戦をして成功したピカイチ君(仮名)について紹介したいと思います。ピカイチ君は実在の人物で、私の知り合いの方です。
ピカイチ君
30代後半の男性で、元々私と全く同じ職種です。私が勤めていた前の大手内資企業の同じ事業で働いていました。分野が違うので絡んだことはありませんが、いかにも一流大学出身の秀才という雰囲気がありました。実際に雰囲気通りの経歴だったと記憶しています。私より半年後に、今の会社に入社されました。私と同じような分野でしたが、違う分野に半年後、本人の希望で移動していきました。
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大丈夫?今までと全く違うことやん。できるの?
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できないです。経験もないですが、いま必死で食らいついていってます。
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なんで、異動したん?
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権田部長のいう訳の分からん意味のない指示に従う気にはならなかったです。
経験がなくても、意味のあることをやりたかったので、異動しました。
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やって行けるの?
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グローバルのカウンターパートからはあきれられていますが、わからないことは質問して、徐々について行けるようになりました。
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ダメやったら、どうするつもりやんったん?
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コンビニでアルバイトでもして、何とか生活を維持する覚悟はできているんで。
その気になれば、何とでもいきていけますよ。
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、、、(すげー奴やな)
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あれから、2年以上経ちますが、異動した違う分野で十分やっているようです。今では、その分野で、社内でも専門家と認識されているようです。さすがというか、腹の座り方が違いました。兎に角、違う分野で意味のある仕事をしてやるという鬼の意気込みがありました!!!
ピカイチ君は、ひ弱のエリート君のイメージでしたが、実は、どこでも生きていける野人のような力強さを持った人でした。最近、会った時、
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ピカイチ君、俺がアカンようになったら、その部署で仕事させてよ!
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さあ、無理でしょう。
自分で頑張ってください。甘えたらアカンですよ!
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わぉ、一本取られました。さすが腹の座り方が違います。
ラッキーで実力以上の転職先に行くと、自分の首を絞めることになる
それに比べ、私の知り合いのザンネンさん(仮名)は、どちらかと言えば他力本願でした。ピカイチ君と同じように、博士号を保持している40代前半の女性でした。長い間、海外で研究生活をしており、今の会社に入社する前は、日本の大学で働いていた方です。どうも、その大学の教授と折り合いが悪くなって、あの権田部長の紹介により、私のいる会社に転職してきました。結論から言えば、3か月で会社を辞めて行きました。なかなかの最短記録です。私が同僚として、ザンネンさんの指導をしていたのですが、会社員経験がなく、他力本願だったので、どうすることもできませんでした。会社員も初めてで、かなり違う分野での仕事なのに、部下に対する謙虚さがほとんどありませんでした。
転職後の謙虚さに関する記事は下記にあります。
日本の大学のアカハラにどっぷり浸っていたせいか、自分についた部下にすべての仕事を押し付けて、かつ説明させていました。
[box02 title="アカハラとは"]
アカデミックハラスメント(和製英語: academic harassment)とは、大学などの学術機関において、教職員が教育・研究上の権力を濫用し、ほかの構成員に対して不適切で不当な言動を行うことにより、その者に対して修学・教育・研究ないし職務遂行上の不利益を与え、あるいはその修学・教育・研究ないし職務遂行に差し支えるような精神的・身体的損害を与えることを内容とする人格権侵害のことである。パワーハラスメントの一類型。
(出典:ウィキペディア)
[/box02]
私も経験がありますが、全く新しい職種なので、非常に戸惑い、どうしていいかが分からないといったことが起こりました。その時、私には2人の部下がいましたが、部下に教えを乞うて、ある意味馬鹿にされながらも、必死に食らいついていきました。部下も、全くわかっていない上司に、そんな親切には教えてくれないです。まあ、当たり前ですよね。
それなのに、部下に高圧的な態度をとり、「ちゃんと教えろ」と命令するもんですから、上手く行く話も、全くうまく行かなくなります。1か月半ぐらいで、部下を外され、PIPのようなことを行われ、不適格との烙印を押されました。そして、結局入社3か月という最短記録で退職を余儀なくされました。
PIPに関しては、下記の記事に詳しく書いているので、是非参照してください。
ザンネンさんは、転職できたことで安心して、転職後会社に馴染んで、全く違う業務で実績を出していこうとする覚悟がなかったのだと思います。日本の大学の教授の場合は、ザンネンさんのやり方でも通用するかもしれませんが、外資系企業では絶対に通用しません。
全く違う業務での内定を貰った時に、本当に大丈夫かとザンネンさんは深く考えていなかったと思います。ザンネンさんは、権田部長の推薦なので、権田部長から、
[chat face="怒った部長.jpg" name="権田部長" align="left" border="none" bg="yellow"]
大丈夫だよ。部下を一人つけるから、実務はその部下にすべてやらしたらいいんだよ。あとは、会社になれるようにしてください。
困ったことがあったら何でも言って。
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[chat face="若い女性.jpg" name="ザンネンさん" align="right" border="none" bg="green"]
どうも有難うございます。(あ、そんな簡単なんだ。楽勝やね。)
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という遣り取りがあったはずです。
しかも、つけた部下が、あの井上さんですから、滅茶苦茶です。井上さんが仕事ができないので、私が嫌がったので、ザンネンさんに井上さんをつけたのです。びっくりするような人事です。すべて権田部長の付け焼刃人事です。
井上さんのことは、下記の記事に詳しく書いてあります。
なので、すべてがザンネンさんのせいではありませんが、やはりラッキーで実力以上の転職先に行くと、自分の首を絞めることになった典型例です。彼女の能力では、どちらにしても、あの職責はこなせなかったと思います。そういう意味では、3か月という最短の時間で、強制的にでも正しい判断がなされたことは、不幸中の幸いです。
その後ザンネンさんは、どうなったかは全く分かりません。が、新しい転職先で、今回の失敗を糧に、しっかりと会社に馴染んで職務を遂行し、幸せな生活を送られていることを願っております。
中高年の転職成功は本当に難しい。
私は今50代ですが、もう転職は進んでは絶対したくないと思っています。理由は、50代の人が転職しても成功することは、まずないからです。今の職にしがみつくわけではないですが、今の会社の別の部署に異動することはあっても、また全く別の会社に行くつもりは毛頭ありません。今の職でリストラになることはまずないと思いますが、どうしても今の会社を辞めないといけないことになれば、次の転職先は、出戻りで、良く知っている人のところで働く以外ないと思っています。
出戻りに関しては、下記の記事を参考にしていただければと思います。
破れかぶれの場合で、またすぐに辞めることも辞さないが当面の職が欲しい時は、全く新しい会社に転職しようと試みますが、年収は下がるでしょう。同じ年収だったとしたら、仕事量は各段に増えるでしょう。これが40代前半だと、ピカイチ君のように年収も下げずに挑戦して、成功することができるかもしれません。ただ50代だったらものすごく難しいでしょう。私はクビにならない限り、そのようなことを試みたくないと思っております。
[1]50歳代のサラリーマンは、年功序列で一生一つの会社で過ごすことのできた一昔前と違い、会社内弱者です。もちろん、統括部長以上のポジションの方だと、50代でもそれなりもポジションで他の会社に転職することも可能だとは思います。ただ、部長以下だとかなり困難です。私が知っている方でも、大体年収を落として、それなりの会社にしか就職されていません。それでも、まだ、就職された方はラッキーです。結局、名ばかりのコンサルタントとして独立して、無職という肩書になるのを避けている方もいらっしゃいます。