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中高年 転職 - 転職エージェント活用必勝法 その1

20年以上前は、転職する際に、転職エージェントを使うことは邪道とされ、転職エージェントを介した応募者は採用しないという風潮がありました。それが今では、非公開案件は転職エージェントを介して募集されることが当たり前のようになり、転職エージェントなしの転職活動は、手足をもがれたような状況での活動とさえ思えるようになっています。

まさに、隔世の感があります。転職エージェントは、両刃の剣です。うまく使えば、大変有用ですが、使い方をも違えると完全に自分の首を絞めることになります。

今回は、どのように転職エージェントを使えば一番いいのかを私の経験に基づいてお話しできればと思います。

 

転職エージェントを使わなければならない昨今の事情

 

1)応募者が多すぎて、自社の人事だけでは対応できない

昨今は会社のホームページで募集をかけるため、ある意味応募が非常に容易になっています。そのため、1つのポジションの募集に100人以上の応募があることも珍しくありません。組織改編等で、例えば20ポジションの募集をかけた場合、2,000人以上の応募者を選別することになります。

閑散期なら問題ないでしょうが、全社員の人事評価をする時期と重なったりしたら、とても対応しきれません。そのため、

転職エージェントが推薦した人物だけを選考すれば、楽ですし、本当に効率的です。

 

2)優秀な人材を掘り起こして貰いたい

応募者の中には、箸にも棒にもかからない人がいます。採用側としては、基準を超える良い人材を獲得したいのが本音です。

そのため、転職エージェントを介して、イマイチな人材は振り落とし、良い人材を掘り起こしてもらいたいのです。それほど自社のポジションに対して興味を持っていない優秀な人材を、転職エージェントの説得により応募してもらうように仕向けたいのです。

この場合だと、通常の応募では獲得できない優秀な人材を獲得することができます。

3)内定辞退を避けたい

以前のブログで私が書きましたが、内定だけ確保して、良い職が決まったら辞退することは、法的に問題ありません。そのため、通常の採用だと、内定辞退のリスクがあり、その内定辞退への面倒な対応を、自社でやらないといけません。対応の仕方を間違うと、自社のイメージが崩れることになります。

その点、、転職エージェントを介していると、内定辞退のリスクは避けられます。内定辞退した候補者を連れてきた転職エージェントとの取引は、今後しなければいいのです。

転職エージェントとしては、死活問題なので、あらゆる手を使って応募者の内定辞退を阻止しようとします。その過程で、もしもめて裁判沙汰になるようなことがあったとしても、それは応募者と転職エージェントの問題なので、自社が巻き込まれることはありません。その点でも大きなリスク回避となります。

 

4)非公開求人にしないといけない事情がある

私が勤めている外資系大手企業では、絶対的に必要とする非公開求人案件があります。社員に知られてはいけないのです。実際、私が勤めている外資系企業では、統括部長以上は、大体3年ぐらいたつと別の方に置き換わります。フィットしない場合だと1年以内です。その場合、社内から移動してくることもありますが、社外から転職してくることもあります。

私が目を皿のようにして、公開求人案件を探しても、私の会社のそのようなポジションの募集を見つけることができません。でも、確実に転職してきています。非公開求人案件として募集しているのだと思います。そりゃそうですよね。自分がいる現在のポジションが募集されていたら、もう仕事なんかしてられませんわ。すぐに、会社の仕事なんかほっぽり出して、悪くすれば、わざとめちゃくちゃにして、転職活動しますからね。

こういう意味で、誰にも知られちゃいけない非公開案件は、信頼できる、今まで付き合いのある転職エージェントを介してしか、募集できないですね。この非公開案件は、基本的にハイポジションで、給料もめちゃくちゃいいものです。

私もそんな非公開求人を紹介される身分になってみたいものです>< 私のスペックでは、死んでも無理でしょう(涙)。

転職エージェントの収益システム

 

1)求職者は無料、採用側の企業がお金を払う

成功報酬型の収益モデルで、求職者は一銭もお金を払わなくていいので、躊躇なく利用できるのです。誰が払うかというと、採用する企業です。だいたい求職者の年収の30~35%と言われています。

年収1000万円の人をひとり転職させるだけで、300~350万円が報酬として支払われます。

[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"] めちゃおいしい仕事ですやん。年収1000万円の人を3人転職させれば、900~1,050万円の報酬だから、もう1年間の食い扶持は確実に確保できることになりますよ。

転職会社に所属していて、50%ピンハネされてもね。[/chat]

[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"] まあ、その分競争も激しく、そんな甘い商売ではないと思います。[/chat]

外資系で働いていると、日本語のできない英語しか話さない転職エージェントがコンタクトしてきます。まあ、しつこかったりします。

なぜ、そんな英語onlyの転職エージェントが日本にいるのでしょうか?それは、報酬が高いからです。以前の会社にいたアメリカ人の私のボスが驚いていました。アメリカでは、報酬は高くでも転職者の年収の20%弱ぐらいだそうです。なので、日本で転職エージェントをする英語スピカ―が結構いるのかもしれません。

かつ、日本で英語をペラペラと話せる人の年収は基本的に高いですから、狙う層がエリートに必然的になるので、ものすごくおいしいんでしょうね。日本人のエージェントだと年収の低い求職者も会社の方針で相手しないといけないですが、英語onlyの転職エージェントの場合は、相手にしなくてもいいですからね。逆に、求職者が日本語の話せる方にしてくださいとクレームをつけてきます。

 

私の勤務している会社の社長も、日本在住なのに英語しか話せません。なので、そういう求職者を相手にできるのは、ものすごい利点だと思います。正直、私の勤務している会社の社長の年収は余裕で1億円を超えていると思います。なので、4000万円以上の報酬が入ります。1回転職させると、5年は食べていける計算です。

 

私が言いたいのは、転職エージェントは、採用する企業から非常に高い報酬が貰える職業であるということです。

2)転職エージェントは入社後のアフターフローも万全

内資の大手企業に20年以上も勤務していて、中高年でリストラされて、初めて転職活動する人は、転職エージェントにとってはおいしいお客さんになる可能性はあります。今まで転職してきていないので、中高年の転職市場の厳しさを知りません。今までいた内資系企業が、その方にとっての会社すべてなのです。なので、なかなか思うような条件のところには転職できません。

そして、焦りに負けてしまって、自分がやって行けそうもない職場でも、「なんとかなるさ」と転職を決めてしまうことになります。そういう方は、1~2年すると確実にまた転職していきます。

転職後も、転職エージェントからは、

[chat face="面接官.jpg" name="転職エージェント" align="right" border="none" bg="green"]近況はどうでしょうか?[/chat]

という連絡が何度もきます。

[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"] 「なんと親切なんでしょう。」

→ そんなわけないです。[/chat]

採用企業側も、高い報酬を出しているので、入社してすぐに辞めた場合は、報酬を減らすようなシステムにしています。入社後1年間勤めれば、ほぼ規定通りの報酬が貰えます。しかし、入社1週間ぐらいで辞めた場合は、適切な人を紹介しなかったとクレームが来て、報酬もほとんど貰えなくなります。

それを避けるためのアフターケアをしてくれているのです。基本的に、

[chat face="面接官.jpg" name="転職エージェント" align="right" border="none" bg="green"]頑張って仕事を続けてください。[/chat]

としか言いません。

転職者のためもありますが、自分の報酬のためという気持ちがあることは否めません。

1年経ってエージェントの報酬が確定しても、転職者が職場に馴染めずに、別の転職先を探していたら、また転職エージェントの出番です。他の転職案件を進めて、再転職を促します。そして、再転職してくれれば、またまた、高い報酬が再就職先の企業から支払われます。

こういう意味でも、転職エージェントにとっては、アフターフォローが腕の見せ所となります。転職させて終わりではないのです。戦略的なアフターフローがなければ、転職エージェントとしてはやって行けないのです。しかもうまくすれば、同じ人で、再度の転職につなげることができるのです。

 

3)究極は求職者のための収益システムではない。

なので、求職者がしっかりと自分の市場価値および自分の職務適正を把握していなければ、転職後、すぐにまた転職という風に、転職を繰り返すことなります。転職エージェントは、あなたの親ではないのですから、紹介する職場があなたに相応しいかどうかまではわかりません。相応しいかどうかは、結局入社して働くまでわからないのが本当のところではないでしょうか?転職エージェントは、一人で何十人もの求職者を相手にしていて、その求職者はコロコロと代わっていくのですから、すべてを把握することは、どだい無理な話です。

なので、あなたに相応しくない職場でも、普通に紹介してきます。というか子供相手の商売ではないので、あなたが受けてみたいと言えば紹介してくれます。逆に、あなたが受けてみたいと言っても紹介してくれない場合もあります。それは、あなたのためを思っているのではなく、採用企業側に、基準を満たしていない人を紹介すると、信頼を失い今後の活動に影響するためです。その職場が、あなたにとって本当に幸せかどうかは、転職エージェントは判断しません。というか、判断できません。それは、あなた自身が判断することだからです。

転職エージェントが、心から気にかけているのは、高い報酬を払ってくれる採用企業に対してです。決して求職者のあなたに対してではありません。あなたの職務経歴が、転職エージェントの扱う案件の水準に足していなければ、連絡を絶ってきます。私もそのような苦い扱いを受けています。

転職エージェントの業務は、あなたの転職先を見つけることでも幸せな転職になるように後押しすることでもありません。基準を満たす候補者を探し、採用企業にマッチングさせることなのです。このマッチングは、そんな簡単ではないので、転職エージェントもそれだけで手一杯なのです。

 

なので、転職エージェントを責めても意味がないので、そのような収益システムの中で、転職エージェントをどのように有効活用すべきかを考えるのが本来のやり方だと思います。あなたは転職エージェントに一銭もお金を払っていないのですよ!

その2に続きます。

 

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