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中高年の転職 - やりたいことを恐れずにやろう?

中高年の転職で、転職先を選ぶ際に「やりたいことを恐れずにやろう」という考え方は間違いです!今までの仕事の経験を完全に活かせても、「空飛ぶ車」を作り続けることは辞めようというのが私の主張です。現実的なある程度は今の業務に関連した仕事を探すのが一番いいのではないでしょうか?また、全く新しいことをやるのも、中高年ではリスクが高すぎるので、これもお勧めできません。

 

中高年になると、今まで我慢して働いてきたのだから、50代になったら、自分の好きな仕事を思いっきりしたいと思われる方もいるかもしれません。私なんかは、「空飛ぶ車」を作ることは忘れるようにしましたので、今の仕事をちゃんと続けたいと守りの姿勢になってしまします。私の場合は、事業所閉鎖により、「空飛ぶ車」をつくる仕事が結局続けられない状況になりました。そして、今のハイブリットカーや電気自動車などを、日本の規制に合格させて、発売するための開発業務になったのです。

「空飛ぶ車」や「ハイブリットカーや電気自動車などを、日本の規制に合格させる業務」は、たとえ話です。わかりやすく話すためです。

 

いつまでも夢を追い続けない?

やりたい仕事ができなくなることは、ありますよね。若い時に追い続けるのはいいのですが、中高年になっても固執するのは、大きなリスクです。かといって、中高年になってから、全く違う職種になることは難しいです。なれたとしても給料は大きく下がることを覚悟してください。

もう今までの「空飛ぶ車」を作る職種は斜陽職種で、未来がないし、自分に全く向いていないから、何でもいいから、中高年で転職できる職種はないのかという場合もあるかもしれません。その時、経験ない中高年が簡単に転職できると言ったら、以下の職種でしょうか?

1)  タクシードライバー(コロナ渦では、生活していけない)   2) 介護職(安月給で、長時間拘束され、体力で非常につらい)   3) コールセンター業務、テレフォンオペレーター(かなりひどいお客さんもいるので、精神的にもキツイ)

どれも、ものすごく大変で、かつ安月給なので、とてもお勧めできるものではありません。この職に就くよりも、今までの経験を活かせる職種を必死で目指す方が良いと思います。

 

中高年の転職では、割り切るしかない!

私は、幸運にも若い時からやりたい仕事をしてきました。そしたら、その仕事が、少なくとも日本国内では求められない仕事になってしまいました。そして、40歳と50歳の時、2回も事業所が閉鎖されてしまいました。私がやってきた仕事を簡単に言えば、研究をする仕事です。ゼロからイチを作る仕事です。アニメ的に自動車で例えるなら、どうしたら、燃費の良いエンジンを作ることができるか、もっと言えば、「空飛ぶ車を作ることができるのか」を実験して作ろうとしていたのです。自動車業界も、この研究の仕事の成果がなければ、未だにガソリン車のままです。この研究のお陰で、電気自動車やハイブリット車が売り出されるようになりました。

私は、この夢のある研究に携わっていたのです。映画バックトーザフューチャーにあるような空飛ぶ車も研究することができる立場だったのです。しかし、研究は困難を極めますし、電気自動車も昔から提唱されていましたが、実用化されたのはつい最近です。それも大手自動車会社からではなく、テスラというベンチャー企業から開発され、販売されたのです。企業としても、いつまでも「空飛ぶ車」に投資するわけには行きません。目の前の利益を生むことをしないといけないのです。

私の場合

[1] 外資系企業も内資系企業も、大手会社では、もう日本で「空飛ぶ車」の研究は辞めてしまったのです。完全に辞めたわけではなく、米国のシリコンバレーで、超優秀な人たちだけで開発しているのです。なので、日本の研究所は閉鎖したのです。

[1] どうしても研究にこだわるなら、日本のベンチャー企業で「空飛ぶ車」の研究を続ければ良いのかもしれません。ただ、「空飛ぶ車」を作れなければ、そのベンチャー企業は倒産です。そんなベンチャー企業に、家族を養わないといけないのに、入社する気には、私はなれませんでした。資本力も研究費も頭脳も情報も圧倒的なシリコンバレーの超巨大企業群が開発できていないのに、日本のベンチャー企業で開発できるなんて考えるのが、狂気の沙汰です。ただ、その狂気の沙汰で、パーソナルコンピューターをつくり出したのが、ステーブジョブズであり、ビルゲイツです。

[1] 結局私は、ステーブジョブズビルゲイツどころか、米国のシリコンバレーでの研究にも携わることのできない無能な研究者ということです(涙)。この現状を踏まえて、「空飛ぶ車」に携わることはきっぱりと諦めました。

[1] で、現在は何をしているかと言うと、研究でつくり出されたハイブリットカーや電気自動車を、日本の規制に合格するように、マイナーな技術的チェンジをして、市販車として売り出すための開発業務に携わっているのです。

 

何度も言いますが、今までの仕事では、「空飛ぶ車」をつくる研究者だったのに、今ではハイブリットカーや電気自動車やその他の研究者が作った革新的技術を、日本の規制に合格させて、発売するための開発業務に就いているのです。つまり、実質的は、全く違う業務ではありますが、革新的な車を研究開発して市場に売り出すというカテゴリーでは同じ業務です。そこをアピールして、幸運にも同じ自動車業界の開発業務に携わることができました。

ただ、「空飛ぶ車」を作ろうとしていた技術者には、ハイブリットカーや電気自動車に関する日本の当局規制がどんなものかの知識は全くないのです。なので、「使えない奴」とイジメを受けてしまうのです。

正直、大変だけど「空飛ぶ車」を作ろうと仕事している方が断然楽しいですよ。もうある程度技術が確立した「ハイブリットカーや電気自動車」を、日本の規制基準にあわせるなんて、「空飛ぶ車」を作ろうとしていた人から見れば、「はぁ」「ある意味、ルーチンワークで、創造的な仕事ではないよね。」となってしまうのです。

しかし、私は「ハイブリットカーや電気自動車」を、日本の規制基準にあわせる仕事に就けて本当に良かったと思っています。いつまでも、「空飛ぶ車」にこだわらなくて良かったと思います。未だに、「空飛ぶ車」の関連業務に携わらないかという求人広告に目が行きそうになりますが、未練は断つようにしています。

 

どうしてもというなら、自滅覚悟で!

「空飛ぶ車」をどうしても追い求めたいのなら、自滅覚悟で追い求めるしかないという感想を思っています。米国のシリコンバレーでの研究にも携わることのできない時点で、諦めるしかなかったのです。

実は、望めば、3年間だけシリコンバレーでの研究に携わることができました。しかし、3年後の職の保証はなく、生き馬の目を抜くシリコンバレーで、世界中から集まった優秀な研究者の中で、生き残っていくことを要求されたのです。英語のハンデや、日本人特有のアピール力の弱さを考えると、行くという選択はできませんでした。正直、私の家族が大反対しました。

私も、今までの研究から「空飛ぶ車」をある程度完成さすことができるという感覚を持つことができれば、シリコンバレーに行ったかもしれません。しかし、まだまだ実用段階には程遠いというのが、正直な感覚でした。なので、今の日本の規制基準にあわせる開発業務に携わるのがベストな選択だったと、未だに信じています。実際、あれから3年経ちましたが、私のいた会社では、「空飛ぶ車」の実用化どころか、骨格さえも決まっていません。

 

中高年が、やりたいことをやるという転職をする場合は、自滅する覚悟で、命がけで仕事に取り組むしかありません。私個人としては、家族を養わなければいけない立場なら、絶対にお勧めしません。