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リストラ離婚 中高年リーマンの半生

中高年 転職 - 出戻りは可能か?

結論から言えば、全然可能です。1年ぐらいで戻ってくるケースを知っています。大手外資系企業だけでなく、バリバリ保守的な大手内資企業でもそれは可能なので、驚きです!

ただし、ちゃんとした退職の仕方をしていることが大前提です。これがないと、出戻りは100%不可能です。

 

出戻りとは、一度退職した会社に、再度入社することです。一度辞めたのに、再度入社するって、大人としてどうなの?と思われるかもしれませんが、結構そのような事例は見受けらえます。大きく分けると下記の3つがあるのではないでしょうか?

[box03 title="3つの出戻りはパターン"]

 

● 隣の芝青くなかった出戻り - 隣の芝が青いと思って、退職し、同業他社に行ったけれども、全然良くなく酷い扱いを受けて、反省して、元の会社に戻ってくる場合。

 

● 武者修行後出戻り - 武者修行に行って、自分自身の実力を上げて、会社により大きな貢献をするために、元の会社に戻ってくる場合。

 

● リストラ出戻り - 事業所閉鎖により、完全なリストラを受け社外に出たけれども、やはり元の会社が良いので戻ってくる場合

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それぞれについて、私の実体験からお話させていただきます。

 

出戻りするための唯一の条件

簡単に一言で言うと、喧嘩別れしていないことです。「立つ鳥跡を濁さず」ということで、きっちりと引継ぎをして、最後まで責任を全うして、良い形で退社していることが絶対条件です。

http://fronte1192.com/2020/06/26/%e4%b8%ad%e9%ab%98%e5%b9%b4%e3%80%80%e8%bb%a2%e8%81%b7%e3%80%80%e2%80%95%e3%80%80%e7%ab%8b%e3%81%a4%e9%b3%a5%e8%b7%a1%e3%82%92%e6%bf%81%e3%81%95%e3%81%99/

退職するということは、その会社に不満があり、どう頑張ってもその会社では、その不満が解消されないためです。まさに、最終手段としての退職です。ある意味、今までの恨みつらみのようなものがあるため、かつ心は次の転職先に向かっているので、ちゃんとした対応をしない方もいます。しかし、個人的には、それは絶対辞めた方がいいです。とんでもないブラック企業だと別ですが、そうでない場合は、誠心誠意キチンと引継ぎをして、周りの方にもちゃんと御挨拶して、退職して行きましょう

上の記事にも書いていますが、同じ業界で働くなら、世界は狭いです。悪い噂はすぐまわりますので、気を付けてください。

私は外資系企業に勤めていますので、退職される方はかなりいます。ほとんどの方は、キチンと引継ぎをして、周りの方にも挨拶をして退職されて行かれます。挨拶でも、会社の悪口や本当のネガティブな転職理由は言いません。その代わりに、会社への感謝や今まで接してきた皆さんへのねぎらいを言葉にされます。転職を繰り返されている方が多いので、そのような転職の仕方には慣れているのかもしれません。

たまに、怒り狂って辞めていく50代のサラリーマンもいます。もともとパワハラチックな方でした。同じプロジェクトチームのメンバーでした。私は、親分肌だった彼のことが個人的には好きでした。その年の評価を非常に悪くつけられて、ボーナスがゼロになったことを最後まで不満に言っていました。かなりの額のボーナスをゼロにするのは、いかにも外資系企業のやりそうなことです。ただ、あの辞め方だと、今後彼と一緒に働くことを躊躇してしまします。やはり、今後のことを考えて、今まで会社で働く機会を得たこと、プロジェクトチームのメンバーとして働けたことに感謝し、さわやかに去って行くことが一番得策です。

会社を辞めるときは、戦略的に「立つ鳥跡を濁さず」を実践しましょう。

 

出戻りの利点

知り合いがいる

元居た会社に出戻りする一番の利点は、職場の同僚、部下、上司を良く知っていることです。中高年で転職した私が一番戸惑うのは、会社の雰囲気です。会社が違えば、雰囲気も全く違います。「郷に入っては郷に従え」でそれに慣れていくには時間もかかりますし、時にストレスを感じることもあります。

転職先に多くの知り合いがいることは、本当に大きな強みです。中高年になると、職場に馴染むのに結構時間がかかります。周りは知らない人ばかりなので、気を遣いまくることになります。慣れない業務以外に、気疲れで結構な負担になるのですが、昔の職場だと、このような心配がほぼなくなります。周りは、以前の職場の同僚ばかりですし、仕事もどのように進めればいいのかわかりますし、会社の雰囲気も良く分かっているからです。

本当にこれは大きな利点です。

 

内部の方に推薦を貰える

中高年が転職する際には、やはり「書類」や「面接」だけで判断するのは危険が伴うので、その人物照会を行います。私が、転職する場合もそうでした。その際に、その人物のことを良く知る人からの意見が多くあるほど、安心感を持って採用することができます。その点、度戻り組は、超有利です。同じぐらい、あるいは少し優れている候補者がいても、やはりよく知っている出戻り組の方が、採用される可能性は高くなります。その方の性格や仕事に仕方を知っているので、安心ですから。

逆に、以前その職場で良く思われていなかった方の場合は、絶対採用されることはありません。応募する本人が一番よくわかっているので、「立つ鳥跡を濁した」方は応募しないと思います。もし、応募しても絶対書類選考で落とされますので、ご心配いりません。無駄な労力はかけずに済みます。

このように、内部の方の推薦は、凄くパワフルですので、出戻り転職の大きな利点となります。

 

それぞれの出戻りパターン

隣の芝青くなかった出戻り

実際にこのパターンの方を何人か知っています。外資系企業に長い間勤めていると、

人の出入りが激しい 上司が変わればすべてが変わる 年を取ると、安定した内資系大手企業の方がいいかも

と転職を密かに企てる人もいます。そんな人である有田さん(仮名)は、転職活動をしていました。私がいる今の会社です。ある時、転職活動しているのが見つかって、部長と話しているのが聞こえてきました。外資系企業は常に人を探しているので、部長は転職エージェントとも通じ合っています。

[chat face="教授.png" name="部長" align="left" border="none" bg="blue"]

有田くん、君は転職活動しているって、話が私の耳に入ってきているよ。

この会社から出ていくの?

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[chat face="友人.jpg" name="有田さん" align="right" border="none" bg="yellow"]

いや、そんなことありません。どこらかそんな情報が入っているんですか?

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[chat face="教授.png" name="部長" align="left" border="none" bg="blue"]

転職エージェントとかにコンタクトしてないの?

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[chat face="友人.jpg" name="有田さん" align="right" border="none" bg="yellow"]

転職エージェントにはコンタクトしていますが、あくまでの自分の市場価値を知るためです。

転職する気は全くありません。

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[chat face="教授.png" name="部長" align="left" border="none" bg="blue"]

じゃ、信じるよ。君が転職しないということで、君の後釜を探すことはしないからね。

じゃ、これからもよろしくね!

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その後、2か月で有田さんは、誰もが知る内資系大手企業に転職して行かれました。外資系あるあるですね。その内資系大手企業は、転職組に対して、かなりひどい仕打ちをしていたらしく(有田さん談)、有田さんは、一年でまた私が勤めている会社に出戻ってきました。元々有田さんがいたポジションで戻したかったのですが、既に埋っていたので、関連する別のポジションで、転職前と同等のランクで帰ってきました。

私は、正直びっくりしました。よく部長が許したなと思いますが、有田さんの人柄なんでしょうかね。仕事もできるという評判で、人柄も良いとの評判だったので、1年で出戻ることを部長や同僚たちは認めたのだと思います。有田さんにとっても良かったみたいで、もう「隣の芝の青さ」を気にすることなく、今の会社で働けることに感謝しながら、仕事に励まれています。「立つ鳥跡を濁さず」の戦略が奏功したケースです。

 

逆のケースでは、私の以前勤めていた内資系大手企業に出戻りしようとしたケースです。「立つ鳥跡を濁した」方だったので、書類選考で落とされることになりました。当たり前ですよね。よく厚顔無恥で応募してきたなと、選考者の間では話題になったぐらいです。会社にいたときの態度が悪いと、出戻りという選択は二度となくなります。

 

武者修行後出戻り

このケースも私が実際に見いたケースでです。出戻り後は、グループは違いましたが、部長となり、最後は統括部長クラスまで出世されたケースです。佐藤さん(仮名)は、もともと非常に優秀な方で、アメリカに1年間半出向することになりました。よほどアメリカの生活が好きになったのでしょう。日本に帰国したくなく、更なる延長を申し出たのですが、却下されることになります。そこで、佐藤さんは会社を辞めて、アメリカにある他の会社に現地採用されました。

大抵は、この時は大きくもめて、二度と会社には出戻りできなくなるのですが、佐藤さんお人柄でしょうか、その当時のVPからも了承されて、円満退職をされました。そして、アメリカで4年程頑張ってから、出戻ってきました。出戻った時は、元と同じポジションでしたが、そこから、課長、次長、部長と出世階段を駆け上って、異例のスピード出世をされました。

佐藤さんの仕事の能力という言うよりは、人間力、人とのコミュニケーションの素晴らしさがなせる技でだと思います。仕事の能力がある人は沢山いますが、出戻りできるコミュニケーション能力のある人は少ないです。そういう意味でも、佐藤さんは私が尊敬する方です。

 

リストラ出戻り

事業所閉鎖等により、本来、会社都合で退職して行った方です。会社側からは何の遺恨もなく、本来なら一番出戻りが有利であると感じるかもしれません。しかし、私の知る限り、リストラ出戻りの人は見たことがありません。

一番の理由としては、事業所自体が閉鎖なので、帰ってくるところがないのです。どうしても、会社に残りたい場合は、異動願いを出して、関連部署に異動した方が、少しはいます。ただ、リストラで一旦退職してしますと、戻ってくることはほぼありません。リストラの時に、違約退職金を受け取った人は、その受け取った日から、5年(会社によっては3~10年)は会社に戻ってこれないという条項があり、そこにサインをしなければならないためです。

今までの事業所での職種と全く別な職種に就いて、自分の能力を高めて、前の会社のその職種の部門に転職するなら可能性はあるかもしれません。しかし、出戻りの利点である知り合いや知り合いからの推薦はほとんど期待できないので、出戻りというよりは、全く新しい会社に転職すると言ったイメージの方が近いと思います。特に中高年のサラリーマンが全く新しい職種に行くことは、得策でなく現実的でもないので、無理ゲーです。もし関連する部署に行けるのなら、退職せずにその部署に、事業所閉鎖の際に異動すれば良いだけの話ですから。

そのため、違約退職金を受け取って、その会社に出戻りするということは、ほぼないということを肝に銘じておきましょう。

 

要約

世の中は何が起こるかわかりません。こんな会社辞めてやると思っていても、できるだけ「立つ鳥跡を濁さず」で、感じの良い退職の仕方をすることを心がけましょう。よっぽどのブラック企業の場合は別ですが、もしかしたら、出戻ることもあるかもしれません。転職の選択肢は多いに越したことはありません。

逆に、自分から一度辞めた会社だから、もう再度入社することはできないと初めから諦めないようにしましょう。厚顔無恥でいいのです。以前の会社が良かったのなら、その職場の応募するのは全く普通の成り行きです。知り合いや元上司がいると思いますので、彼らを介して推薦してもらうことができたら、採用される確率は各段に上がります。そういう意味でも、出戻りは、中高年の転職先として、決して悪い選択肢ではありません。