中高年 リストラ転職 : 一番のモチベーションは不安
私が中高年でリストラを受けて、転職する際の一番の力の源は、やはり「不安」でした。
40歳の時もそうでしたが、50歳の時の不安はもっと大きかったです。40歳での転職の苦戦を経験していたので、もう転職はコリゴリだとの想いがありました。それなのに、結局、事業所が実質的に閉鎖されることになり、転職活動を始めました。この時は、見つからなかったら、受け皿となるベンチャー企業にしがみつこうと、不安を払いました。が、やはり自分の心に嘘はつかませんでした。
不安に押しつぶされそうになりながらも、逆にその不安が、転職活動を続ける強い、本当に強い原動力になったのも事実です。
中高年の転職で不安を抱えている方には、不安をネガティブに捉えないで、むしろポジティブに捉えることで、転職を成功へと導く方法をお伝えできればと思います。
不安を打ち消していた
50歳の時の実質上の事業所閉鎖の際には、やはり精神的に参りました。会社もバカではないので、何年も前からこのままでは、事業所の継続が難しいというメッセージを出していました。
そして、1年前からは、もう実質上事業所を閉鎖するから、身の処し方を考えるようにとの匂わせ(忖度してくれとのふわっとしたメッセージ)を出していました。
この時は、わざと現実を見ないように不安を打ち消していました。
不安を打ち消すとどうなるかというと、
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]
大丈夫だ!変に焦って動くと失敗する。
何もしないのがベストだ。
[/chat]
と漫然に日々を過ごすことになりました。
不安を感じないようにしたため、下記の対策が満足にできていませんでした。
社内移動により、事業所閉鎖の場合でも影響を受けない部署に行く
私と同年齢の同僚は、上司の推薦を受けて別の部署に異動していきました。その異動を知った後、私も異動の可能性を打診しましたが、今回は1名のみということで却下されてしまいました。
ちなみに、今もその同僚は、異動先の部署でリストラの心配もなく、元気にやっています。
転職活動を緩やかに始めて、転職のアンテナを立てておく
やはり、早めに色々と情報を集めて動き始めるべきでした。1年あれば、じっくりと良い求人案件だけに応募することもできたと思います。ただ、不安を打ち消していたため、何もせずに漫然と日々を過ごしてしまいました。
不安に駆られていたら、腹をくくって、良い求人案件には積極的に応募していたと思いますし、大いに反省する箇所です!
社内移動も転職もできなかった場合のことを想定しておく
「Hope the best. Prepare the worst.」
いつでも「最善を目指し、最悪に備えておく」が重要ということですが、不安を打ち消し、不安を感じていなかったため、
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]そんな無駄なことしてどうするの?杞憂やん。あほらし![/chat]
と思っていました。不安を打ち消し、感じていなかったための、愚かな思考でした。
[box01 title="杞憂(きゆう)とは?"]「中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事」つまり、心配する必要のないことをあれこれ心配すること。[/box01]
確かに、「天が崩れ落ちてきはしないか?明日交通事故で死ぬんやないか?」というような無駄な心配はしなくていいです。
しかし、会社側から「事業所はこのままではいけない」という明確なメッセージを出されていたのに、心配しないの時は、バカ者です>< 全く「最悪に備えておく」をしていなかったので、その後慌てふためくことになりました。
不安―このままでは、自分だけではなく、家族が食えなくなる
部門長から、
[chat face="外人.png" name="部門長" align="left" border="none" bg="green"] 今後のため、履歴書と職務経歴書を用意しておくように。[/chat]
と真剣に言われました。その後、間髪入れずに、部門全員に、プライベート情報満載の部門長自身の「履歴書と職務経歴書」が参考資料として、配られた時から、私は、たまらず事態を深刻に取るようになりました。
そして、部門長と1対1の個人面談をお願いしました。
不安を感じていなかったため、
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]事業所を閉鎖しないと言っているけど、やっていることは閉鎖の方向にばかり、走っているとしか思えないです。[/chat]
[chat face="外人.png" name="部門長" align="right" border="none" bg="green"] で、君はどうしたいの?[/chat]
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]はぁい?[/chat]
[chat face="外人.png" name="部門長" align="right" border="none" bg="green"] 上層部の言っていることが信じられないで、これからも働いていくの?[/chat]
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]といいますと?[/chat]
[chat face="外人.png" name="部門長" align="right" border="none" bg="green"] 私なら、会社の上層部の言っていることが信じられないような会社では働かないけどね。
転職するという選択があるからね。[/chat]
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]、、、、[/chat]
[chat face="外人.png" name="部門長" align="right" border="none" bg="green"] 私はアメリカ人だから、日本人のメンタリティがよくわからないんだ。
日本の労働基準法がめちゃくちゃと強いからと言って、採算の合わない事業所を会社が継続すると思うのかい?[/chat]
[chat face="外人.png" name="部門長" align="left" border="none" bg="green"] 誰が見ても明らかなのに、日本の労働基準法を盾に、会社におんぶにだっこで生きていこうとするのは、自立した大人のすることかい?[/chat]
[chat face="外人.png" name="部門長" align="right" border="none" bg="green"] 自分自身に実力があれば、転職すればいい話だろう。
私は7回も転職している。
転職する実力がないのは、会社のせいではなく、自分自身のせいだと思うよ。
あくまでもアメリカ人の私個人の見解だが、、、[/chat]
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]、、、、、 どうも有難うございました!!![/chat]
いかにもアメリカ人らしい論法です。日本人上司が同じことを言ったら反発しましたが、ほとんど日本語が話せないアメリカ人上司の場合は、変に私の心にぐさりとささりました!
日本の労働基準法に照らすと、アメリカ人の部門長の言っていることは、かなり問題があります。しかし、私に大きな気付きを与えてくれました。そして、私は転職できるのかという大きな不安を感じました。正直、焦りまくりました。
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]このまま、会社におんぶにだっこで生きていけないな![/chat]
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="right" border="none" bg="yellow"]このままだと、家族を路頭に迷わすことになる。[/chat]
[chat face="フロンテ1.jpg" name="フロンテ" align="left" border="none" bg="yellow"]兎に角、転職をしよう。[/chat]
今の業務ではなく、もっとビジネスよりの職種を得ようと強く決意しました。不安があったからこそ、真剣に決意できました。
不安のお陰で、なりふり構わず本気になる
部門長の言葉は私に大きな気付きを与えてくれました。
内資系の大手の会社だったので、無意識に「会社が何とかしてくれる。」と私は思っていました。
そのことをある意味恥じて、会社は何もしてくれないと感じると、一気に不安になりました。その不安のお陰で、なりふり構わずに、血反吐を吐くような感じで、転職活動をしていく覚悟ができました。
格好よくプライドを保って、スマートな感じで、会社のサポートを貰いながら、今後を考えていくというようなスタンスとは、おさらばです!
不安が私に覚悟を与えてくれました。
転職してやって行けるかではなく、やるしかない!
私が、目の色を変えて転職活動をしている時期になると、周りの同僚(若手も含む)も水面下で必死になって、転職活動していることが嫌が尾でも伝わってきました。
転職してやって行けるかではなく、転職するしかないんだ。ある意味、「生きるか、死ぬかだ!」という正に切羽詰まった感じで、転職活動に励みました。
すると、
の変化が、自然と私の中で起こりました。大きな不安によって、ポジティブな効果が得られた例です。
このメンタリティをもてたからこそ、「残念だけど、他の会社に行ってもいいですよ。」と言われてもめげることなく、「是非、チャンスをください。結果が出るまで喜んで待たせていただきます。」と平身低頭お願いすることができたのだと思います。
まとめー不安で人は強くなる
対策を考える
この不安を取り除くための対策を必死で考えるようになります。不安は四六時中付きまとうため、その対策も四六時中考えざる負えないことになります。
行動する
対策を考えても不安は取り除かれません。対策に基づく行動をしないと何も変わりません。なので、対策に基づいた行動を自然に取るようになります。
死ぬ物狂いでやり抜く
対策を考えて行動を起こしても、上手くいかなければ不安は消えません。消えないどころか、より増大されます。
「この対策で行動しても無理なんだったら、やばいぞ!どうすりゃいいんだ?」
ということで、より必死になります。そして、新たな対策を練り、それを実行し、それで駄目なら、また、、、というように解決するまで、必死にやり続けることになります。不安が大きければ大きいほど、その必死さは強くなり、死ぬ物狂いで解決に向かいます。
ここで、気を付けることは、決して不安に押しつぶされないようにすることです。押しつぶされると、諦めて無気力になって、正に逆効果なので、大きな注意が必要です。
無意味な不安を取り除くことは、下記の記事を見ていただけたらわかるように、本当に大切ではあると思います。(下記の必読の1冊は是非参考にしてくださいね。)
しかし、状況を把握したことにより湧きあがってくる不安は、中高年のリストラ転職の一番のモチベーションになることを、私は身をもって実感しました。
私は、この不安を有効活用することにより、なりふりの構わない、がむしゃらな転職活動をすることができ、最終的に結果につなげることができました。
中高年で転職活動中の皆さんは、この不安に押しつぶされることなく、この不安をポジティブに捉えて、是非、新たな職を手に入れられることを心から祈っております。不安から生み出される火事場のバカ力によって、難局を乗り切ってください。